DNSセキュリティ対策|ドメイン乗っ取りを防ぐ確認先とWeb診断の違い
自社のドメインが不正に操作されると、お客様が偽サイトへ誘導されたり、会社のメールが届かなくなったりするおそれがあります。
DNSはWebサイトやメールを支える大切な仕組みなので、不正操作は会社の信用にも関わる問題です。
経営者の方が押さえておきたいのは細かな設定方法ではなく、「誰が管理しているのか」「何かあったときにどこへ連絡するのか」という点です。
DNSそのものの点検は契約先へ任せ、Webサイト側の弱点はWeb脆弱性診断で分けて確認しましょう。
この記事では、ドメイン侵害による経営リスクや社内で確認したいこと、DNS対策とWeb診断の役割の違いをご紹介します。
DNSはWebサイトとメールを支える「住所案内」
DNSは、ドメイン名とWebサイトやメールの送信先を結び付ける仕組みです。
会社のドメインへアクセスした人を正しいWebサイトへ案内したり、メールを正しい宛先へ届けたりする役割があります。
インターネット上の「住所案内」のようなものと考えると、イメージしやすいです。
ドメインが不正に操作されると何が起きる?
DNSの案内先を不正に変えられると、本物そっくりの偽サイトへお客様を誘導され、IDやパスワード、決済情報などを入力させられるおそれがあります。
メールに関する設定を変えられた場合は、会社宛てのメールが届かなくなったり、第三者に盗み見されたりする可能性もあるのです。
さらに、会社を装った偽のメールに悪用されれば、お客様や取引先にまで被害が広がりかねません。
経営者の方にとって大切なのは、攻撃の細かな仕組みよりも、会社にどのような影響が出るのかを把握しておくことです。
たとえば、次のような被害が考えられます。
- Webサイトやメールを利用できず、受注や問い合わせ対応が止まる
- 顧客や取引先の情報が漏れ、個別対応が必要になる
- 会社を装った偽サイトやメールにより、取引先へ被害が及ぶ
- 原因調査、設定の復旧、関係者への説明に負担がかかる
- 安全管理への信用が低下し、取引の継続に影響する
経営者が押さえておきたいのは「誰が管理しているか」
DNS対策でまず確認したいのは、細かな設定値ではなく、管理体制がきちんと整っているかどうかです。
特に、次の3つは社内で把握しておきましょう。
- 契約先と管理担当者:ドメインのレジストラやDNS事業者はどこか、社内の責任者は誰か
- 管理権限:退職者や以前の外部業者だけが管理できる状態になっていないか、不要な権限が残っていないか
- 異常時の連絡先と記録:問題が起きたときに誰へ連絡するのか、正しい設定や変更内容の記録がどこにあるか
契約先や担当者がわからない場合は、請求書や契約書、登録時のメールなどが手掛かりになります。
それでも不明な場合は契約先へ問い合わせ、今後誰が管理するのかを社内で決めておくと安心です。
技術面の点検はDNSの契約先へ
社内の管理体制を整理したら、細かな設定や技術面の点検はレジストラやDNS事業者などの契約先へ依頼しましょう。
- 多要素認証と管理権限:管理画面を使える人が必要な担当者に限られ、強い認証で保護されているか
- DNSSECの状態:DNSの案内情報が途中で偽の情報へ置き換えられていないことを確認できる状態か
- 変更通知と履歴:設定が変わった際に担当者へ通知され、誰が何を変更したのかを確認できるか
- 復旧手順:不正変更や誤設定が起きたとき、正しい状態へ戻すための連絡先と手順があるか
自社にDNSを詳しく扱える担当者がいない場合でも、こうした技術面は契約先に点検を依頼できます。
自社で確認しておきたいのは、点検の方法そのものではなく、「問題が見つかったか」「どのような対応が必要か」「対応後に問題が解消されたか」という点です。
契約先からこれらの結果を受け取り、社内で共有できれば十分です。
もしも問題が複数見つかり、どこから手をつけるか迷ったときは、セキュリティ投資の優先順位を決める方法を参考にしてみてください。
対応状況を継続して確認する際には、セキュリティ診断のKPI設定方法も役立ちます。
| 用語 | ざっくり解説 |
|---|---|
| ドメイン | Webサイトやメールで使う会社の住所 |
| DNS | ドメインの行き先を案内する仕組み |
| レジストラ | ドメインの登録や更新を扱う会社 |
| DNS事業者 | DNSの設定や管理を行う会社 |
| 管理権限 | 管理画面で設定を変更できる権利 |
| 多要素認証 | 2つ以上の方法で本人確認する仕組み |
| DNSSEC | DNS情報の不正な書き換えを防ぐ仕組み |
DNS対策とあわせてWebサイト側の弱点も確認する
ドメインを守るためには、DNSだけでなく、その先にあるWebサイトの安全性にも目を向ける必要があります。
ただ、DNSの安全対策と、Webサイトそのものの弱点を調べることは別の対策です。
DNSはWebサイトやメールの案内先を管理し、Web脆弱性診断は、その案内先にあるWebサイトや公開機能に弱点がないかを調べます。
| 確認する範囲 | 主な対象 | 依頼先 |
|---|---|---|
| DNS固有の点検 | レジストラ、管理権限、DNSSEC、変更通知・監視、復旧手順 | レジストラやDNS事業者などの契約先 |
| Web脆弱性診断 | ログイン画面、入力フォーム、Webアプリ、公開API | Web診断サービス |
たとえば、住所案内が正しくても、案内先の建物の戸締まりまで安全とは限りません。
DNSとWebサイトも同じで、それぞれ守る場所に合った対策が必要です。
DNS固有の設定やDNSSECは契約先へ確認し、外部に公開しているWebサイトについては『セキュリティー診断さん』に、弱点がないかの診断を依頼できます。
診断で問題のある場所や危険度がわかれば、制作会社や開発会社にも「どこを直してほしいのか」を具体的に伝えやすくなるでしょう。
修正が終わったあとに、問題がきちんと解消されたかを確かめる際にも診断を活用できます。
まとめ:DNSとWebサイトはそれぞれに合った対策を
DNS対策では、まずドメインの契約先と管理担当者を明確にし、何かあったときにすぐ動ける体制を整えておくことが大切です。
技術的な点検はDNSの契約先へ任せ、自社では結果と必要な対応を把握しておきましょう。
また、DNSが正しく管理されていても、Webサイト側に弱点が残っていれば別のリスクがあります。
外部に公開しているWeb機能の安全性が気になる場合は、『セキュリティー診断さん』の活用がおすすめです。
診断結果を必要な修正につなげ、安心してWebサイトを運営できる状態を目指しましょう。
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